宗教について 〜 人の生と死を考える 注31

公開: 2023年3月12日

更新: 2023年9月12日

注31. 非妥協的な原理主義

一神教の特徴として、他の多神教の宗教に比較して、妥協的でないことが指摘されています。そのような特徴を持った、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の中でも、「原理主義」と呼ばれる教えがあります。原理主義では、各一神教の教えを厳格に守り、それ以外の考え方との妥協を受け入れません。イスラム教の原理主義では、女性が肌を露出することの禁止や、髪の毛を露出することの禁止などを厳格に守ることを要求します。また、女性に高等教育を受けさせることも、コーランの教えに従って禁止したりしています。

キリスト教でも、聖書の教えを厳密に守ろうとする原理主義があります。キリスト教原理主義を信じる人々は、聖書の創世記の記述を信じ、進化論を否定します。現在では、カトリック教会も進化論を認めていますが、原理主義者達は、それを否定しています。このことは、最近では、イスラム教の場合も、キリスト教の場合も、社会の中で様々な問題を引き起すようになっています。、例えば、医学的な治療でも、「輸血を許さない」などがあります。

この原理主義的な思想は、ユダヤ教の「モーゼの10戒」に顕著に表されています。モーゼは、古代エジプト王国で奴隷となっていたイスラエルの民を、「ファラオ」(王)から解放し、神によって約束されたエレサレムの地へ導いていた時、シナイ半島の山で、神からの託宣を受け、それを記したのだとされています。そこに明記された、「神は私以外にはいない。」、「「私以外を信じてはならない。」、「私の偶像を崇めてはならない。」、そして「みだりに私の名を口にしてはならない。」などの教えが残されています。

参考になる読み物

旧約聖書、出エジプト記